不眠症を東洋医学でどう考えるか?

不眠症を東洋医学でどう考えるか?

〜眠れないのは心と体のアンバランスのサイン〜

「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「眠りが浅い」——。
不眠は単なる生活リズムの乱れだけでなく、心身のバランスの崩れが深く関係しています。

西洋医学では「自律神経の乱れ」「ストレス」「ホルモン分泌の変化」などが原因とされますが、
東洋医学では「五臓(心・肝・脾・肺・腎)の働きの不調和」が眠りに影響すると考えます。


◆ 東洋医学から見た不眠のタイプ

① 心(しん)の不調

心は「精神活動」を司り、睡眠とも密接に関わります。心が乱れると、寝つきが悪くなったり、夢を多く見て眠りが浅くなります。

  • 特徴:不安感、動悸、夢が多い、熟睡できない

  • 関連するツボ:内関・神門


② 肝(かん)の不調

肝は気血の流れを調整し、ストレスや感情のコントロールを担います。肝がうまく働かないと、イライラや緊張が強くなり、寝つけなくなります。

  • 特徴:イライラ、頭が冴えて眠れない、肩こり、目の疲れ

  • 関連するツボ:太衝・行間


③ 脾(ひ)の不調

脾は食べ物から気血を生み出す臓器。弱ると心身を養うエネルギーが不足し、疲れているのに眠れない状態に。

  • 特徴:疲労感、食欲不振、考えすぎて眠れない

  • 関連するツボ:足三里・三陰交


④ 腎(じん)の不調

腎は生命エネルギーの源。腎が弱ると体のリズムが乱れ、不眠や早朝覚醒につながります。

  • 特徴:夜中に何度も目が覚める、耳鳴り、腰のだるさ

  • 関連するツボ:太谿・腎兪


◆ 鍼灸でのアプローチ

  • 精神を落ち着けるツボ(神門・安眠)で心を整える

  • ストレスケアのツボ(太衝・合谷)で自律神経を調和

  • 腎を補うツボ(太谿・命門)で体のリズムを安定させる


◆ 日常生活でできるセルフケア

  • 就寝前の深呼吸やストレッチで副交感神経を優位に

  • スマホやPCは寝る1時間前にオフして脳を休める

  • 温かいお茶やお風呂で心身をリラックス

  • おすすめ食材:なつめ、クコの実、黒ごま、豆類(心と腎を養う)


◆ まとめ

不眠は「体が休みたいサイン」であると同時に、

  • 心の不安

  • ストレスの蓄積

  • 体力の不足

  • 五臓の乱れ

など、さまざまな背景が隠れています。

東洋医学では、症状だけでなく体質や生活リズムまで含めて調整し、
自然に眠れる体づくりをサポートします。

こころね整体院