ストレートネックを東洋医学でどう考えるか?

ストレートネックを東洋医学でどう考えるか?

〜首の不調は“全身のバランス”のサイン〜

スマホやパソコンの普及により、現代人に急増しているのが「ストレートネック」。
本来、首の骨(頸椎)はゆるやかなカーブを描き、頭の重さを分散しています。
しかし、ストレートネックになるとそのカーブが失われ、首・肩への負担が増大し、頭痛や自律神経の乱れ、不眠につながることもあります。

西洋医学では「姿勢の悪化による骨格の変化」として説明されますが、東洋医学ではこれを “体全体の気血水のバランスの乱れ” として捉えます。


◆ 東洋医学から見たストレートネックの原因

① 気の滞り(気滞)

長時間の同じ姿勢やストレスにより、気の流れが滞ると首や肩の筋肉がこわばり、頸椎の柔軟性が失われやすくなります。

  • 特徴:首の張り、肩こり、ため息が多い、イライラしやすい

  • 関係する臓腑:(気の流れや自律神経を司る)


② 血の不足・流れの悪化(血虚・瘀血)

血が十分に巡らないと筋肉や関節が栄養不足となり、硬直しやすくなります。

  • 特徴:慢性的な首のこり、頭痛、目の疲れ、手足の冷え

  • 関係する臓腑:心・肝


③ 腎の弱り(腎虚)

東洋医学で「腎」は骨や関節を支える働きを持ちます。腎のエネルギーが弱ると骨格の安定性が低下し、首に過度な負担がかかります。

  • 特徴:姿勢の悪化、腰痛、疲れやすさ、集中力の低下

  • 関係する臓腑:


④ 気の不足(気虚)

エネルギーそのものが不足すると、首や背筋を支える力が弱まり、姿勢を維持できなくなります。

  • 特徴:猫背になりやすい、疲れやすい、首が重い

  • 関係する臓腑:脾・肺


◆ 鍼灸でのアプローチ

  • 首や肩のツボ(風池・天柱・肩井)で筋緊張を緩和

  • 自律神経を整えるツボ(合谷・太衝)でストレスケア

  • 腎を補うツボ(腎兪・太谿)で骨格や筋肉の安定性を高める


◆ 日常生活でできるセルフケア

  • 正しい姿勢を意識:スマホは目線の高さで見る

  • 軽い運動:肩甲骨を動かすストレッチ

  • 温める習慣:首の後ろを温めると血流改善

  • 食養生:黒ゴマ、くるみ、山芋など腎を補う食材がおすすめ


◆ まとめ

ストレートネックは単なる「首の問題」ではなく、

  • 気の流れ

  • 血の不足

  • 腎の弱り

  • 姿勢を支える力の低下

など、体全体のバランスの乱れが首に現れたサインです。

鍼灸や整体によって体の内外から整えることで、首の不調だけでなく、頭痛や不眠といった全身の症状改善にもつながります。


こころね整体院