更年期の不眠・動悸・不安感と“心”と“腎”の関係

更年期の不眠・動悸・不安感と“心”と“腎”の関係

〜東洋医学で読み解く、ゆらぐ心と体のつながり〜

「夜、なかなか眠れない。眠れても浅くて疲れが取れない」
「動悸がして、突然不安な気持ちになる」
「なんとなく心が落ち着かないけれど、検査では異常なし…」

更年期の不調は、“目に見えない不安感や焦燥感”として現れることがよくあります。
これらは、単なる「気のせい」や「年齢のせい」ではなく、体の内側のバランスが崩れているサインです。

今回は、「心(しん)」と「腎(じん)」という東洋医学の視点から、更年期の不眠・動悸・不安感をやさしくひも解いていきます。


◆ 西洋医学で見る更年期の不眠・不安感とは?

更年期は、卵巣の働きが急激に低下し、エストロゲンなどの女性ホルモンが減少します。
このホルモン変化が、自律神経のバランスや脳内神経伝達物質に影響を与え、

  • 不眠(寝つきが悪い・途中で目が覚める)

  • 動悸・息苦しさ

  • イライラ・不安感・気分の落ち込み

といった**「メンタルと体の両面」にわたる症状**を引き起こします。

「精神科に行くほどではないけれどつらい…」という“未病”状態が続くのも、更年期特有の特徴です。


◆ 東洋医学で見る:心と腎のつながり

東洋医学では、感情や睡眠のトラブルも「五臓のバランスの乱れ」としてとらえます。
特に、次のふたつの臓腑が深く関係しています。


▷ 「心(しん)」は精神活動の中枢

  • 喜び・意識・思考・睡眠などを司る

  • 「心神(しんしん)」が安定していると、心が落ち着き、眠りも深くなる

➡️ 心が乱れると:不安感、焦燥感、動悸、眠れない


▷ 「腎(じん)」は生命エネルギーの貯蔵庫

  • 成長・老化・ホルモン・骨・脳・耳などをつかさどる

  • 「腎精(じんせい)」が減ると、体力・気力ともに衰え、心を支える力も弱まる

➡️ 腎が弱ると:疲労感、不眠、恐れ・不安、老化現象の加速


◆ 更年期は「心腎不交(しんじんふこう)」が起こりやすい

心と腎は、東洋医学では**「上と下でバランスをとる関係」**とされており、
これが崩れると「心腎不交(しんじんふこう)」という状態になります。

これは、

  • 腎が弱くて、心を支えきれない

  • 心が過敏になり、精神が安定しない

という**“心が落ち着かず、眠れず、常に不安定”な状態**を意味します。


◆ 当院のアプローチ:心と腎のバランスを整えるケア

更年期の不眠や不安には、鎮静剤や睡眠導入剤では根本改善が難しいこともあります。
当院では、「心と腎をつなぎ直す」東洋医学的ケアを行っています。

▷ 鍼灸施術

  • 「心神安定」や「腎精補充」に働きかけるツボを使います
     例:神門、内関、太谿、腎兪、三陰交、百会 など

  • 脳と自律神経のリズムを整え、自然な眠りを促します

▷ 骨盤・頭蓋調整

  • 頭蓋骨や首まわりの緊張を緩めて、副交感神経の働きを高める

  • 骨盤・背骨を整えることで、ホルモンバランスの安定を助けます

▷ 呼吸・睡眠・食事のアドバイス

  • 夜ふかしNG!22時〜2時は「腎」が回復する時間帯

  • 寝る1時間前はスマホやカフェインを避け、静かな時間を

  • 腎を補う食材:黒ごま、くるみ、黒豆、山芋、なつめ、牡蠣など


◆ あなたは一人じゃない。体の声を聞くタイミングです

「更年期ってこんなに苦しいの?」
「なんだか心が落ち着かない。泣きたくなる」

――そう思っているあなたへ。
それは、体が変化している証拠であり、ちゃんとケアすれば必ず軽くなるものです

当院では、体と心の両面から不調に寄り添い、
その人に合った施術とアドバイスで、“ほっとできる毎日”を取り戻すお手伝いをしています。

こころね整体院